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薄い水色を突き抜けて

もう夏至を過ぎ7月に入ってしまった。
そんな話を聞いて毎日見上げている空の色に変化を感じ始める。

小さい頃、夏休みが始まりそれなりにやる気を持って7月下旬に突入し、涼しい内に勉強、昼ご飯を食べたら山や海へ。
何しろ、私が小さい頃、朝のラジオ体操は強制的な出席を余儀なくされていたので、休みだからといって朝のグズグズは無かった訳で。

こんな日課を繰り返しながら、驚くほど早い10日間を過ごしてしまう。
その時の空は、最近見上げている薄い水色に繋がっていた。
これがカレンダーが一枚捲れるだけで、気持ちの中で微妙な変化が起きてくる。空の色が夏独特の群青色をどこかに滲ませ始め、それは夏の経過を小さな私に無理矢理知らせる色でもあった。
決して群青色が嫌いな訳ではない、というよりもその色に対する思い入れは他の人より多いかも知れない。が、群青色の空を心の中にイメージしただけで猛烈な焦りを覚え出すのである。
盆を過ぎた辺りの空の色は、もう後○○日しかない、と毎年巡ってくるはずの夏休みの筈が今年で最後のような焦燥感に駆られ、その頃には大幅に狂った夏休みに入る前の日課予定が、気持ちに重くのしかかって来ていた。

ユーミンの唄に「14番目の月」という歌がある。次の日から欠けていく頂点よりも頂点を前にした高揚感の方が好きだ という内容のように覚えているが、正に夏休みの中の経過はその様なものに通じている と私の中には頷ける部分が多い。

いま薄い水色に包まれ、建物の中から眺める午前の空は、何もかも溶かしてしまう昼下がりの白い光に包まれた空を想像し、これから始まるだろう 暑い夏への期待を持って見ることが出来る。
夏になれば何かある訳でなく、ただ暑いだけなのであるが、それでも小さい頃から刷り込まれた「原風景」を私は夏に抱いてしまう。
あの頃体験した暑さの数十倍の暑さ を感じる今となっても。そして、秋が近づいたことを知らせるが如き群青色の雲がまだまだ先なのだ という妙な安心感と共に。
思いっきり長く、この空が続くことを祈って。
来年もこの空の色の時が来る! と分かっていても、今年の色が長く続いて欲しいと。

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